消ゴムうるめのバリアーぶろぐ (By saku)

一国の姫であるが、現在は身分を隠し、ハラハラどきどき!大坂へ留学中

「この告白を君に」


想う人から招待状がきたので
また池袋へ呼ばれて行った。


何度となくこの日記にも
事のいきさつを記したが
当時まだ子供であった人に
振られて何年も経ち、
なお諦めることなく
気持ちを温めていたら
ある日突然、
大人になったその人から
当時の携帯電話のアドレスへ
メールがきたのであった。
それももう数年前のこと。
想像もできない再会だった。
芸術大学を出てプロとして
歩み始めたその人の
活躍をすこし身近に感じ
東京で公演があれば
呼んでもらえる立場。
それは天にも昇るほど
嬉しかったものだ。


しかし、想いというのは
思った通りには伝わらない。
年始の挨拶も
クリスマスの挨拶も
誕生日の挨拶も
いつも私から送って
向こうからくることも
返信がくることもない。


返信を送らないのは
誰に気を遣っているためか。
自分のためか、
私か、別のだれかか。
嫌われているのかも、
と思う反面、
公演の案内は欠かさずにくる。


上京先で滞在場所として
部屋に1週間も
泊まりにきたこともあった。
あのときクリスマスイブというのに
空気の重みで牽制されたまま、
特別な話もできず
なんてことのないまま
大阪へ戻っていった。


私は友人なのか
兄妹なのか
昔の恋人なのか
単なる知り合いなのか
どれにも当てはまりそうで
どれにも当てはまらない。


そのあと、去年、
はじめて東京ではなく
本拠地大阪の舞台に呼ばれた。
東京からロードバイク輪行
新幹線にのり飛んでいった。
舞台は観たが、しかし、
その姿を一目見ることは叶わず。
案内係としてロビーに
出ていなければ
顔を出してくれない。
態度が矛盾だらけに見えて
遠近感を無くした絵を前に
気が遠くなって
悪寒がしてしまう。
恋患いとはこういうものか。


変わらずに時が流れるだけ。
勇気のでない自分に
苛立ちすら感じ、
今月また招待されたのを期に
遂に、当時のアドレス宛に
10年の思いを託した
告白のメールを・・・。


前にもそうした告白はしたが
傷つきたくないあまり
かすり傷で済ませる選択肢を
相手にも自分にも用意していたが
もうそれだけはない。


千秋楽の終演後、
気持ちを告白したまま
あれから5日経過するも
いまだ返信はない。


メールなので読んでいるのかすら
こちらには分からないが
今までを思い返すと
1ヶ月も経ったあと
多忙だったから忘れてたごめんと
一言だけメールが来ること
この1年で幾たび。
多忙でも読んでさえいれば
返信をもらえると
期待していたのだが、
考える時間が必要なのか
読んでいないだけなのか
舐められているのか
試されているのか
脈があるのか無いのかすら
相手の言動が分からない。


恋をして孤独で苦しく
理解もできないままでは
きっと互いの為にも
なっていないのだと思う。


悔しいかな誰に好意を
寄せられようと、
私は振り向けないだろう。
それと同じ気持ちで
その人も私には
振り向けない、と考えると
このチグハグな状況が
矛盾無くみえてきて
解せる形になってくる。


だから告白した。
命がけの告白、
それは伝わっていると
信じたいのだが、
送信から5日。
もしも1週間経って
それでも返信なき時
もう一度メールで
気持ちを聞こう。


想いが受け入れられない悲しさより
想いを否定される辛さのほうが
何倍も悲しいことを知った。


スルリと交わされながら
愛すべき人とのチグハグな
時間を平然と過ごしてきたが
その長い時間もあと数日で
ケリがつくだろう。


出会った日から干支が一周した。
これから暖かくなり
花も芽吹く。
失恋するにはいい季節だ。


そして変わった私が
春にはここにいるはず。
































































































































































































































































































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